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「編集者」って何をする人なの?映画メディアの編集長に聞いてみた

Webメディアを中心に、21ジャンル80のメディア・サービスを運営している株式会社イード。
各メディアは編集部によって運営されていますが、学生のみなさんからはしばしば「編集者って具体的にどういう仕事をしているの?」という質問が寄せられます。

そんな疑問を解消すべく、
映画メディア「cinemacafe.net(シネマカフェ)」の編集長を務める八木杏奈さんにお話を聞きました。

cinemacafe.net 編集長 八木 杏奈さん

編集者から他部署での営業を経て編集長に!


――まずは簡単な自己紹介をお願いします。

シネマカフェ」の編集長を務めている八木杏奈です。
シネマカフェ」は元々別会社が運営していたWebメディアで、M&Aでイードに譲渡されたことをきっかけに、私もイードの所属になりました。

当時の私は編集長ではなく編集者の1人で、配給会社が発信するニュースリリースを元にした記事を作成し、編集部内の最終チェックを経て順次公開するのが主な業務でした。

――イードの所属になって、業務に変化はありましたか?

外部のライターさんとのやりとりは増えましたが、当初は以前の会社と同じような業務をこなしていました。

そして、1年ほど経った頃に上司から「プロデューサーをやってみないか」と言われてブロードバンド情報サイト「RBB TODAY」編集部に移り、2年ほどプロデューサーに挑戦することとなりました。

――それまでのような編集者ではなく、プロデューサーの業務に臨む心境はいかがでしたか?

クライアントに対する提案活動を務めた経験がなかったので最初は不安でしたが、
現 マネー事業部 部長である大羽隆介さんの下についてPR代理店や広告代理店の方たちと打ち合わせしたり、さまざまな現場に出向いたりして、実践を通して自分なりの提案スタイルを身につけていきました。

その後は新設された部署横断のチームに移って「シネマカフェ」、「RBB TODAY」、「アニメ!アニメ!」3媒体の営業を担当しました。そうして経験を積んだところであらためて「シネマカフェ」に戻ることになり、今日にいたるまで編集長を務めています。

編集者が持つべきマインドはプロデューサーと似ている


――「シネマカフェ」における編集者、編集長はどのような仕事をされるのでしょうか。

編集者は、記事化するニュースリリースの選別、ライターへの記事化の発注に加え、
その時々のトレンドや情勢に合わせた特集記事やコラムを随時企画・立案します。
あとは、インタビュー取材をお願いするライターの調整や、お支払いする原稿料の管理ですね。

編集長はそれに加え、媒体の方向性を決めなければなりません。
方向性というのは具体的に言うと「どういう読者を想定し、そこに向けてどのような記事やコンテンツを発信していくか」ということです。

――編集者とプロデューサーの業務は、どのようなところが異なるのでしょうか。

同じ社内でも媒体によって多少異なると思いますが、
少なくとも「シネマカフェ」においては両者のマインドはほぼ同じであると思います。

映画の魅力をどうやって伝えるか
そのために、どれだけ手を動かし頭を使って魅力的な企画やアイディアを提案できるか
常にそのことと向きあうのは、編集者も営業も変わりません。
編集者はその対象が読者で、プロデューサーの対象は広告主やクライアントであるというだけです。

しかも、編集者がクライアントに直接提案することがあれば、時と場合によってはプロデューサーが記事広告の執筆を依頼するライターをアサインすることもありますので、あまり分けて考える必要もないのかなと思います。
強いて言うなら、プロデューサーはクライアントを含めた社外の方とコミュニケーションをとって関係性を構築していくことが多いかもしれませんね。


編集者に求められる3つの「力」

――編集者や編集長に求められるスキルを教えてください。

まずは、世の中で起きていることに対して常にアンテナを張りめぐらせておけることですね。
Webメディアは世の中のトレンドをおさえられているか、時代に合わせ進化できているかが重要ですので、SNSも含めて今何が起きているかを常に把握しておく必要があります。
そのうえで、記事の切り口にひとひねりを加えられる柔軟なアイディアを出せるかが肝要です。

あとはコミュニケーション力ですね。
たとえばインタビュー記事では、企画立案から掲載までの間にライターさんやカメラマンさんなど、いろいろな方の協力があって記事が完成します。
ですので、完成イメージをプロジェクトチーム間で共有するなど、さまざまな場面でスムーズな意思の疎通を図るためにも「コミュニケーション力」は非常に重要です。答えに悩んだ時に報・連・相をすぐにできるかも大切です。

――情報へのアンテナ力、記事をよりよいものにする企画力、内外に向けたコミュニケーション力の3つ、ということですね。学生のうちにやっておいてよかったと感じるものはありますか?

社会に出たあとで仕事しながら勉強するのは大変ですので、いつも「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」と思うことばかりです(笑)。

とはいえ、学生時代に学んだことや経験がどういう形で仕事に活かされるかはケースバイケースですので「これを勉強しておいた方がいい」と具体的なアドバイスをするのは難しいです。

私から言えることは「いろいろなことにチャレンジしてほしい、興味関心の幅を常に広く持っていてほしい」ということですね。

――編集者、もしくは編集長としてやりがいを感じるのはどのような時か教えてください。

クライアントと協力して読者に映画作品の魅力を訴求する記事広告にしろ、媒体の独自企画にしろ、目的はその映画作品の魅力をひとりでも多くの人に知っていただくことです。
公開した記事が狙い通りに読まれて読者へ影響を与えているのが数字として確認できたり、SNSのコメントなどで読者から反響があったりすると、いつも達成感があります。

自分の得意分野をどんな仕事にも活かせる柔軟性を!


――「シネマカフェ」に関する今後の展望を教えてください。編集長として、どのような媒体にしていきたいですか?

大きく分けて二つあります。一つ目は、「シネマカフェ」を映画ファンの居場所にすることです。

今はメディアから読者へ一方的に情報を発信しているだけですが、将来的には読者同士でコミュニケーションをとれたり、私たちに向けて気軽に意見を伝えたりできる場を用意したいと考えています。SNSでも情報を集められる今日、メディアが生き残っていくには「媒体そのもののファンコミュニティ」を作っていくことが大切です。

二つ目は「若い層にどのようにして情報を届けるか」です。YoutubeやTikTokのような動画サイトがすっかり身近な存在になったことで、情報の取得方法は、テキストメディアが主流だった時代とはまた変わってきています。

魅力的なコンテンツがあふれていて選択肢の多い今の時代、映画の魅力をどのように伝えればよいか、常に考えをめぐらせています。テキスト主体の記事形式にこだわらず、動画形式でもいいかもしれない。場合によっては4コマ漫画のような形式でもいいかもしれない……。

その答えを見つけ、若い人たちに今よりもっと映画に興味を持ってもらうことができれば映画業界の隆盛を支える一助になれますし、それができてこそメディアの責任を果たせるというものだと考えています。

――最後に、イードにピッタリだと思う人物像を教えてください。

アニメが好きでアニメ媒体を志望する人がイードに入社しても、自動車の媒体に配属されるようなこともあると思います。希望の媒体に必ず所属できるわけではありません。

しかし、そんな時でもアニメの造詣が深い人であればアニメファンと自動車をつなぐ企画を考えられるかもしれません。思いもよらないものとの掛け合わせは、時に大きな相乗効果を生み出します。

そういう意味では、幅広い興味関心や柔軟性を持って、自分の得意分野を仕事にどう活かせるかを常に考えられる人が向いているのではないかと思います。

――ありがとうございました!

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