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『やりたい』の声が道を拓く ―― 15年の中で見えたイードという会社のカタチ

2009年の入社以来、IT、自動車、アニメ、地方拠点の立ち上げ、ゲーム、そして人事と、様々な分野を渡り歩いてきた山﨑浩司さん。一見、バラバラに見える部署異動の背景には、ある共通点があります。それは「やりたい」という声を出せる文化と、それを実現するための「自由と責任」の考え方です。アニメが好きだから手を挙げ、拠点立ち上げに興味を持ったから飛び込み、そして今は人事の道を歩む。15年の軌跡から見えてきた、イードならではの働き方とは。 

株式会社イード 人事総務部の山﨑さん。今年でイード勤続16年目を迎える。

――まずは、 イードでのキャリアについて伺えますでしょうか。かなり多様な経験をされていると聞いています。 

はい。振り返ってみると、本当にいろいろな経験をさせてもらいました。現在は人事総務部で新卒採用を担当していますが、2009年の入社当時は自分が人事になるとは想像もしていませんでした。 

――最初はどのような部署からスタートされたのですか? 

最初の6年間は広告営業として、ITメディアの「RBB TODAY」からキャリアをスタートしました。その後、自動車メディア「レスポンス」、そしてアニメメディア「アニメ!アニメ!」と、毎年のように担当メディアが変わっていきました。その後、島根県松江市で開発拠点の立ち上げを経験し、東京に戻ってからはゲームメディア「インサイド」の編集長、メディア事業本部内でのHRBP的ポジションを経て、現在の管理本部 人事総務部で採用を担当しています。 

――これだけ多くの異動は珍しいように思います。 

そうですね。これには二つ理由があります。一つは、私が入社したタイミングがイードにとって成長期で、組織の流動性が高かったこと。ただ、それ以上に大きかったのは、「やりたい」という気持ちを声に出せる社風があったことですね。 

――「やりたい」という気持ちを声に出せる、というのは具体的にどういったことでしょうか? 

例えば、アニメ部門の担当になれたのは、自分がアニメ好きだということを会社に伝え、「担当させてほしい」と直接願い出たからでした。人事の仕事に関しても同様です。やりたいことを口に出すことで、チャンスが巡ってくる。それがイードの特徴だと思います。もちろんタイミングや、運もあったと思います。 

――印象に残っている経験を教えていただけますか? 

特に印象深いのは、アニメ!アニメ!と島根県での拠点の立ち上げの経験ですね。「自分の城」を任されたという感覚を強く持ちました。 

――「自分の城」とは、どういった意味でしょうか? 

アニメ部門を担当していた時に強く感じた感覚なのですが、これは単に与えられた仕事をこなすのではなく、全てを自分事として捉え、主体的に動く必要があるということです。門番が必要なら採用しなければならないし、門が壊れていれば修繕が必要ですよね。城をどうしていくか、全ての判断と責任が自分にある。 

大変でしたが、同時にとても充実していました。自分で企画を考え、提案し、実行する。その過程で、クライアントや社内外の様々な方々と協力しながら、新しいものを生み出していく。そういった経験が、その後のキャリアの基盤になっています。 

――島根県での経験についても詳しく教えていただけますか? 

島根に行くことになったきっかけも面白い話なんです。当時「今の仕事、少し物足りないな」と感じていた時に、松江市で開発拠点を立ち上げるという話があって。自分自身が地方出身だと言うこともあり「楽しそうだな」と深く考えずに手を挙げたんです。 

これが予想以上に充実した経験となりました。地元のIT企業のみなさんと学生との交流会やバスツアーを企画したり、勉強会やハッカソンの開催・・・、様々なことにチャレンジしました。 

この経験が、その後のゲーム事業部での仕事にも活きてきました。島根勤務の経験から「地方は面白い場所だ」という考えが芽生え「地方とゲームをどう掛け合わせられるか」という新しい視点でのイベントやインタビューを企画したのですが、これは当時の経験があったからこそです。今の採用の仕事にも、その時の経験が全部つながっていると感じています。 

――イードの文化について、特徴的な部分を教えていただけますか? 

「自由と責任」という言葉に集約されると思います。イードは、個人の自主性を重視し、自由に動ける環境を大切にしている会社です。ただし、それは同時に責任も伴います。 

例を挙げますと、私がゲーム事業部にいた時のことです。飲み会で「クラブで音楽かけながら蕎麦打ちしたら面白そうじゃない?」という何気ない会話から「クラブでDJを呼んで音楽をかけながら読者も交えて一晩中ゲームをプレイする」というアイデアが生まれ、実際に企画として実現させました。面白いと思ったアイデアには挑戦できる。ただし、当然ながら利益を出すという大前提はあります。 

――「自由」という言葉が出てきましたが、何でも自由にできるということでしょうか? 

いいえ、そこは誤解のないように伝えておきたいところです。「なんでも自由にできる」というわけではありません。きちんと結果を出せることが大前提で、それなりの経験と実績を積み重ねた上でのことです。 

また、これは特に強調しておきたいのですが、イードは「手厚くフォローする」という会社ではありません。自分で決めたことは、自分でやり切る覚悟が必要です。 

――それは厳しいように感じますが。 

確かにそうかもしれません。ただ、ここで一つ付け加えておきたいことがあります。会社は、頑張っている人や必死に取り組んでいる人のことはしっかりと見ています。そういった人たちを支援したいと考えている先輩や上司は必ずいます。15年という時間の中で、それは確かに実感してきました。 

――就職活動中の学生に向けて、メッセージをいただけますでしょうか。 

最近の若い世代は「コスパ・タイパ重視」と言われることが多いようですが、あえて「遠回りを恐れないでほしい」とお伝えしたいです。人生100年時代と言われて久しいですが、就職してから定年まで約40年は働く時代になりました。もちろん、Fireという選択肢もありますけどね。そんな中で、最短距離だけを見て進むのではなく、時には寄り道をし、様々なことをインプットする余裕を持っていただきたい。 

――最後に、イードで働くことの楽しさや醍醐味を教えていただけますか? 

イードで働く面白さの一つは、「自分の興味のある世界を動かしている」という感覚があることです。これは必ずしもワールドワイドな話ではなく、もっと身近な意味での「世界」です。 

例えば、ゲームメディアでは、あるゲームが大好きなライターが書いた記事がそのゲームのファンコミュニティで大きな話題になる。そういった形で、特定の領域に対して確かな影響を与えられる。これが私たちの仕事の醍醐味の一つだと考えています。 

メディアの仕事は、本質的に「人の行動を変える」仕事だと考えています。記事を読んだ人が新しい視点を得たり、具体的な行動を起こしたり、誰かの人生に影響を与えられる。それが私たちの仕事の醍醐味であり、責任でもあります。だからこそ、自分の担当領域に対する深い理解と愛着が必要になってきます。それは時に大変なことですが、その分やりがいも大きいですね。 

もう一つ、イードは「やりたい」という声を上げた人にチャンスを与えてくれる会社です。ただし、これは甘やかしではありません。自分の意思で道を切り開いていく覚悟が必要です。 

遠回りに見える道でも、それが自分の「好き」につながっているのであれば、その道を選ぶ価値は十分にあると考えています。全ては自分次第。そんな、厳しくもやりがいのある働き方ができる会社、それがイードではないかな、と思います。 

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