社内の編集部に向けて開催している勉強会「編集ナレッジ共有会」についてご紹介します。
今回の共有会では社外の方をお招きするという初の試みを実施。
その記念すべき初ゲストとして
株式会社Clearが運営している日本酒専門Webメディア「SAKETIMES」の編集長 小池潤さん
をお招きいたしました。小池さん、ありがとうございました!
【プログラム】
―SAKETIMESについて(小池編集長よりご紹介)
―イードの取り組みについて(事前にいただいていた弊社メディアの聞きたいことについてご紹介)
―ワークショップ企画「出張!隣の編集部」
本記事ではこちらのプログラムに沿って様子をお届けします。
SAKETIMESについて
日本最大級=世界最大級の日本酒専門WEBメディア
取り扱っている情報はお酒全般ではなく日本酒情報のみ。株式会社Clearという日本酒事業のみに特化したベンチャー企業、日本酒をこよなく愛する社員の皆さんが運営しています。
とにかくバーティカル オブ バーティカル(めちゃくちゃニッチ)なメディアで、読者がそのままコミュニティ化していることが特徴です。その中心読者は若年層(35歳以下)、女性が4割、居住エリアは大都市圏、と意外にも日本酒のコアユーザーと真逆に位置。これによりクライアントである酒蔵が日本酒を飲んでほしいターゲット層に沿える強みを持っています。
記事転載は基本行っておらず、独自取材のオリジナル記事を配信。また、2018年から記事配信数を200本ほど減らし記事のクオリティをあげることに注力。その結果、PV/UUのどちらにおいても高い成長率につながったそうです。
(参考記事:https://jp.sake-times.com/special/recommend/sake_analytics_2019)
そして、日本酒の”ストーリー”を伝えるというメディアポリシーを掲げており、グラスの“内側”にある情報ではなく、その“外側”にあるストーリーこそが、消費者の心にもっとも響くと続けます。日本酒の魅力の“伝え手”として、日本酒が持つ多種多様なストーリー(情報)を発信しているのが「SAKETIMES」です。
ここまでの情報だけでも、メディアの方向性が明確で読者にもクライアントにもまっすぐに突き刺さる感じがしました。ニッチなメディアというのは、イードの掲げるMoveDeeperと通ずるものがありますね。
豊富な日本酒情報コンテンツを扱い日本酒情報のインフラとして様々な情報を提供しているSAKETIMES。バーティカルメディアゆえの強みについても教えていただきました。
1.SNSでの圧倒的な情報拡散力
ファンを作るコンテンツ作りを意識により、熱量の高い日本酒ファンが積極的に情報を拡散。
2.日本酒関連ワードの“検索”に強い
検索流入が7~8割。メディアとしても想いを伝えるためにも、知りたいと思ってくれている瞬間を逃さないよう検索順位の最適化に取り組んでいる。
3.独自のライターネットワークを保有
各々オリジナルの日本酒情報を持っていることを大切にしており、ライターを本業としない人たち。
基本的にはライターさんから企画が上がってくるシステム(案件によってはオファーする場合も)。
全国各地・海外と様々な場所にいるため現地取材に活きている。
SAKETIMESの紹介を聞き、注力しているというSEO対策についてや、取材記事の製作期間、データベース系コンテンツについてなどなど弊社編集部からは沢山の質問が。かなり盛り上がりました。
イードの取り組みについて
1.具体的な施策によってPV/UUを伸ばしている 「マネーの達人」
マネーの達人 編集長 北山より、PV/UUを伸ばすための具体的な施策を紹介。
・ライターさんとのリレーション構築
・外部記事配信
・Canvaを使った画像表現力の向上
ライターさんの誕生日にサプライズでプレゼントを送ったり、ライターさんの記事に対して毎朝フィードバックを行ってコミュニケーションを取り記事の品質向上につなげている。
2.SEO対策に特に注力している 「芝生の手入れ.com」
メディアマーケティング本部でエンジニアとして活躍する榊より、そのジャンルに勝てるか?の見極め、参入ジャンルの選び方について紹介。
芝生の手入れ.comは「芝生」とGoogle検索すると1ページ目の上位に表示される、非常にSEOに強いサイト。
3.他企業と積極的にコラボしている 「アニメ!アニメ!」
アニメ!アニメ! 副編集長 沖本より、LINE NEWSと共同での記事作成、LINEとアニメ!アニメ!での同時掲載の取り組みについて紹介。
LINEという強力なプラットフォーマーとタッグを組むことで、よりリッチなコンテンツ作りに注力できる。
(参考:https://animeanime.jp/article/2020/01/23/51109.html)
4.記事広告以外のマネタイズに成功している「リセマム」
アワード事業について紹介。
「イード・アワード」として行っている顧客満足度調査。イードが運営する様々なメディアでイード・アワードをおこなっていますが、特にリセマムは「塾」、「英語教材」、「英会話スクール」、「子ども英語教室」、「電子書籍」、「幼児教室」など多数のアワードを2010年代前半から行ってきており、その地位を確固たるものにしてきた。
5.積極的にオフラインイベントを開催している「Media Innovation」
メディア業界の関係者が集まる場所作りについて紹介。
メディア事業本部長の土本学が手掛けるMedia Innovationでは、毎月1回、メディアに関連するイベントを開催。イベント開催前に、イベントに登壇頂く識者へインタビューを行い、読者(イベント参加者)へ興味関心をひいた上で告知を実施。イベントには毎度40名~50名のメディア関係者が参加している。
今回はいただいたテーマから相性のよい弊社メディアをピックアップし、それぞれの施策を紹介しました。数多くのメディアを抱えるイードだからこそできる取り組み紹介だったと思います!
ワークショップ企画「出張!隣の編集部」
SAKETIMES小池編集長から下記のテーマで取材提案をする際、どんな切り口で提案すると面白い記事ができそうか?というお題を準備いただき、テーマにわかれグループを作りディスカッション、発表をするというワークショップを行いました。
今回のテーマは3つ。それぞれ発表内容とあわせて紹介します。
1.瓶容器にはない缶容器の魅力を訴求(缶容器をつくっている資材メーカーからのオファーを想定)
・持ち運びしやすい、ごみが捨てやすい特徴を活かし、アウトドア向きをアピール
・to C企画として魅せることをアピール
読者にインスタ映え写真を撮影してもらい選手権を開催(かっこよくキャップを開ける、特定の場所でかっこよく飲む写真など)
2.ノンアルコール日本酒の利用シーンを具体的に訴求(大手メーカーからのオファーを想定)
・お酒を飲めない人でも楽しめる日本酒カクテル(インスタ映えすることで女性も楽しめるものに)
また、こちらのチームの発表中には妊婦さんでもノンアルコールであれば飲めるという話から、宗教的にお酒が飲めない人々へ日本酒(日本文化)を広める機会になるのではという意見も。
おしゃれな日本酒カクテルであれば、日本酒に対してハードルを感じている20代前半の女性でもまずは手にとってくれそうです。
3.カップ酒のイメージを刷新する新しい魅力を訴求(大手メーカーからのオファーを想定)
・小瓶のパック販売(1週間パックとして小さいサイズを7つ入れる)
女性向けに自宅でちょい飲みを楽しんでもらう。色や柄を付け並べて楽しめるものに。
・瓶に色をつける
若年層に向け写真で映えるデザインにする。オタク活動を楽しむ女性に推しカラーとしても。(女性向けの版権コラボなど)
・遊びがいのあるデザインにする
カップの蓋に着目して開いたらおみくじになっているなど。飲み会を盛り上げるツールとして活用。
・フェスなど人が集まる場での提供
若者はそもそも触れる機会が少ないので、フェスやライブ会場に出す。(Red Bull的な感覚で)
片手で持ちやすく外でも飲みやすい特性を生かす。
ちなみに筆者は実際に飲んでいる人を見たことがなく、お墓のお供え物のイメージを持っていたのでかなり悩んでしまいました…購入する勇気もないので、まずは気軽に飲む機会に出会えると嬉しいですね。
小池さんがそれぞれのテーマの実物を持ってきてくださっていたので、日本酒片手に和気藹々とディスカッションを楽しみました。
イードでは、編集力向上のために外部編集部と積極的に勉強会を開催しております。もちろん編集部だけではなくセールスや新卒に向けた多種多様な勉強会が開催されています。
引続きレポートしていきますので、よろしくお願いいたします。