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どうせなら会社を、そして社会をアップデートしてしまおう

 どこにもでかけられないGWが半分を過ぎようとしていた5月4日、COVID-19の感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長が発表されました。誰しもにとって未経験のこの状況に対応すべく、生活様式をはじめ、社会の在り方そのものまでもが、劇的なスピードで変化しています。きっと今自分たちは何かしらのターニングポイントを目の当たりにしている、というよりも、まさに今その渦中でもがいているのでしょう。

 その中でも最も大きな変化の一つが、働き方の二極化ではないでしょうか。医療従事者や物流業界、スーパー等の接客業を含むエッセンシャルワーカーの方々が今この瞬間も現場で働いているおかげで、私たちの生活が成り立っています。それとは対極的に、一般企業に勤めている多くの人々は、家の中で仕事をするようになりました。

 あえて前向きな言い方をすると、これはコロナ危機がもたらした“いい機会”なんじゃないかなと思っています。

「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」

これはダーウィンが残した言葉として有名な言葉です。(実際はダーウィンの言葉ではないらしいのですが、今は置いておきます。)ちなみに弊社代表が好んで引用する言葉でもあるのですが、今の状況を乗り越えるために心に留めておくべき言葉でもあるのではないでしょうか。

 コロナはいとも簡単に社会の在り方を崩しました。一度崩れたものが元に戻るのには、大変な時間とエネルギーを要します。同じ時間とエネルギーなら、アップデートすることに使う方がいいのではないかと思うのです。少し理想が大きすぎるでしょうか。私は可能だと思います。というよりも、イードという環境ならそれができるだろうと思っています。

イードならできる理由

原則リモートワークへは8割以上が問題なく移行できた

 4月1日、株式会社イードは、全社的に原則リモートワークへ移行しました。2月から“推奨”とされていたものを強めた形で、緊急事態宣言の発令・延長を受けて現在(2020年5月20日時点)も継続中です。これほど長期のリモートワークは例がなく、従業員の状況把握もかねて先日アンケートを実施したのですが、その結果からイードの働き方の特長が見えてくるのではないかと気が付いたので、ここにまとめたいと思います。

 「原則リモートワークへの移行に際して混乱やトラブルはありましたか?」という設問に対しては、約85%が「全く問題なく移行できた」または「おおむね問題なく移行できた」と回答がありました。数字としては、スムーズに原則リモートワークという働き方に移行できたといってよい結果でもあると同時に、予想していた通りの結果でもありました。というのも、イードはもともとかなり自由度の高い働き方ができる環境が整っているからです。

パンデミックに先んじて導入されていたリモートワーク

 実は、イードの中でも最も在籍している従業員数が多いメディア事業本部では、新型コロナウイルスが日本で話題になるよりも前に、リモートワークという働き方がかなり浸透していました。そもそもイードには、新卒を除いてですが、出社しなければならないというルールはありません。代表が「イードという場所は、練習する場ではない。試合の場だ。」と言う通り、成果を出すための手段は自分に合ったものを自分で選びなさいという考え方が反映されているのです。この言葉は、裏返せば環境に甘えることができないと捉えることもできます。厳しいと感じる人もいるかもしれませんが、イードの従業員の多くはそれを心地よい(成果は出すから自分の自由にさせてくれ)と感じる人が多いように思います。

慣習だからと愚かなことをする必要はない

 「原則リモートワークへの移行に際して、工夫したことはありますか?」という設問には、約40%の人が「ある」と回答しました。ちなみに会社として行ったのはノートPC・スマホ・モバイルルータの貸与と、廃棄予定だったモニタの無償提供などです。

 中でも目を引いたのは、管理本部の業務をリモートワークで完結させるための工夫でした。具体的には、経理や人事における押印業務を電子押印に置きかえたというものです。先ほど一部事業部ではすでにリモートワークが浸透していたと書きましたが、とはいえすべての人がリモートワークに慣れているかといわれるとそういうわけにもいきませんでした。特に管理本部が抱える業務は、やはり紙の書類ベースであるものが多いです。日本社会にリモートワークが浸透し始めた時期には、ハンコを押すためだけに出社している人がいる、なんていうニュースを見かけたりもしましたね。ハンコそのものを否定する気はありませんが、そのためだけに命を懸けなければならないというのは、乱暴な言い方ですがやはり愚かなことだと思います。慣習だからと愚かなことをしなくてもいい、変えられるところは変えていきましょうという風土も、イードの特長の一つです。

課題は気軽なコミュニケーションの機会と、子育て家庭への支援

 ここまでは、リモートワークへ柔軟に対応してきたという結果を並べてきましたが、課題についても触れておきます。「リモートワークに関して現在困っていることや相談したいことはありますか?」や「未解決の問題はありますか?」という設問への回答で数が目立っていたのは、「気軽なコミュニケーションを取りづらい」という声でした。各事業部で雑談する時間を設けたり毎朝のmtgを行ったりと工夫はしているようですが、やはり直接でないとできないコミュニケーションは存在しているようです。一方で数は多くありませんが深刻度が高いと思われるのが、「子どものいる家庭の在宅勤務環境」でした。かくいう私もその一人で、mtgは娘を抱っこしながら出て、作業系は夜にまとめてという形で対応しようとしてはいますが、やはり厳しいところはあります。これに関しては、会社としても対応できることを模索していかねばならない課題(※)といえます。

(※)2020年7月追記:2020年6月5日より、小学校休業等対応助成金を活用した休暇制度を導入

働きたいときに、働きたい場所で、働きたいだけ働ける会社を目指して

 働き方の理想とはなんでしょうか?家庭の状況、業務内容、価値観などによって、その人が最もパフォーマンスを発揮できる働き方は千差万別です。であれば、会社としてできることは、その人にあった働き方の選択ができる環境を整えることでしょう。つまり「働きたいときに、働きたい場所で、働きたいだけ働ける」会社の実現です。

就業時間に縛られない働き方

 まず「働きたいときに働く」ことに関しては、イード従業員の多くはフレックスタイム制裁量労働制という勤務形態を適用しています。これらはどちらも、勤務時間がある程度自主性に任せられているという特徴がある勤務形態です。フレックスタイム制に至っては、新卒を除いてコアタイム(働かなければならない時間)の設定すらありません。早朝/深夜の時間帯(22時~5時)は原則就業できないよう各種の制限が設けられていたり、担当業務によっては時間の縛りを受けることもありますが、基本的には各自が働けるタイミングで働くことができます。つまり、イードはすでに「働きたいときに働く」ことができる環境を持っていることになります。

リモートワークを一つの選択肢に

 もう一つの「働きたい場所で働く」に関して、今回の原則リモートワークによって大きく進んだのではないかと思っています。アンケートの最後は、「パンデミックが終息した後も、リモートワークをご自分のワークスタイルに取り入れたいと思いますか?」という設問にしました。結果は98%が「思う」でした。課題は感じられつつも、リモートワークという働き方は全社的に歓迎されているようです。リモートワークとは本来場所に縛られない働き方であるはずです。それがスムーズに受け入れられた今、イードに根付く、自主性に任せられた勤務時間と組み合わさることで、イードの働き方はまた一つアップデートされていくでしょう。

最後に

 今回のコロナショックによって各方面が計り知れない打撃を受けたことは事実ですが、転んだからにはただ起き上がるだけでなく、さらなる高みを目指す足掛かりにしたいと思いますし、イードなら、それができると思っています。

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