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テスラ上海工場視察ツアーの舞台裏 ― メディアの枠を超えた挑戦と成長の物語

21ジャンル82のWebメディア・サービスを運営するイード。そんなイードの主要メディアである自動車専門媒体『レスポンス』で2024年10月8日~10月11日に中国・上海のテスラ工場視察ツアーを実施しました。
一見するとメディアの枠を超えた取り組みに見えますが、業界ネットワークを活かして実現した本企画には、日本を代表する企業から多くの参加がありました。
企画立ち上げから実施までの経緯や、参加者の反応、新人社員としての成長、そしてレスポンスの今後の展望について、メディア事業本部 オートモーティブ事業部の釜田さんと、同事業部で2024年に新卒で入社した伊藤さんに語っていただきました。


ーー二人の自己紹介をお願いします。

釜田:新卒で大手流通企業グループの自転車小売店に入社後、もともと自転車が好きで読んでいた自転車専門メディアに転職。編集者として2年半従事し、新製品レビューや国内外のレース取材を担当していました。

自身のキャリアを考えたときに、コンテンツを作るだけでなく、ビジネス全体を理解したいという思いもあって、編集経験を活かしながら新たな挑戦ができる環境のイードに転職しました。入社後は自動車・バイクメーカー向けに広告提案から始めて、現在はレスポンスビジネス(*)のリーダーをしています。

週末は50kmほどロードバイクに乗って汗を流すという釜田さん。伊藤さんの教育担当として半年間OJTを務めました。

伊藤:2024年に新卒としてイードに入社しました。元々メディアに興味があり、就職活動でも様々なメディア企業の選考を受けていました。最終的に、裁量権のある環境でスキルを身につけながらメディアのビジネスを学びたいと考え、イードを選びました。また、入社前に先輩社員とランチする機会があり、働く人たちと直接コミュニケーションが取れて、そこで感じた人柄の良さも決め手になりましたね。

現在は釜田さんと一緒にレスポンスビジネスの法人会員を増やすための営業活動や広告提案を行っています。

ドラマ、映画、アイドル応援と幅広くエンタメが好きだという伊藤さん。今期オススメのドラマは『御上先生』とのこと。

(*) 自動車やモビリティ業界の最新動向や技術をビジネスセミナー、リスキリング講座などで情報提供を行うレスポンスのサービスの一つ。

ーー伊藤さんは入社してから自動車業界のことを学んでいったと聞いています。入社して10か月ほど経っていかがですか。

伊藤:入社当初に比べると、業界のことが理解できるようになってきたと感じています。25卒の内定者インターン生が私のアポイントに同席した際、「あの言葉の意味ってなんですか?」といったような質問をしてくれるのですが、その時に自分の知識が身についているのを実感します。

最近、特に成長を感じたのは、あるイベントで名刺交換をした時のことです。以前は業界の方と名刺交換する時、専門的な話についていけるか不安でした。でも、先日名刺交換をした時に、その怖さがどんどん減っているのを感じました。これは業界のことを現場で学んできた成果だと思います。その成長を実感できて嬉しかったですね。

ーー素晴らしい。伊藤さんの努力の賜物だし、OJTの釜田さんの指導のおかげですね。

釜田・伊藤:(笑)。

二人はいつも隣同士に座り、雑談交じりに業務を進めています。

――今回のテスラ上海工場視察ツアーはどのような経緯で始まったのでしょうか?

釜田:きっかけはレスポンスでもお付き合いのある前田 謙一郎氏との関係です。前田氏は元々テスラで働かれており、その他の自動車メーカーでのマーケティングのトップなども経験されています。現在は独立されていますが、弊社のビジネスセミナーでの講演や、記事の執筆などもお願いをしています。

前田氏は様々な企業を渡り歩いてきましたが、その都度、レスポンス編集部の私たちにご連絡をくださり、関係を築いてきました。そんな中、「テスラの工場見学の機会がもらえるかもしれない」という情報をいただき、それを弊社でコンテンツ化・ビジネス化するための社内検討を行いました。その結果、視察ツアーとして企画することになったんです。自動車専門媒体として、こうした繋がりを持てていたことは大きな強みでしたね。

――テスラの工場を視察できる、というのはなかなかないかと思うのですが、企画してみていかがでしたか?

釜田:海外視察ツアーは、私自身初めての経験でした。

まず明確だったのは、テスラの上海工場見学だけでは企画として不十分だということ。そこで現地の協力企業の方々に相談しながら、追加の企画を組み込んでツアー全体の構成を練り上げていきました。

実務面では本当に全てが手探りでしたね。旅行会社との調整、飛行機の手配、ビザの取得、消費税の扱いなど、通常の広告商材とは異なる確認事項が多く、社内外との打ち合わせを何度も重ねました。

特に収益面での不確実性が高かったです。参加申込数が未知数なうえ、中国企業とのやり取りもあって原価の見通しも立てづらい。消費税の扱いも含め、かなり曖昧な部分を抱えたまま、とにかくやってみようという姿勢で進めていきました。

テスラ上海の工場見学だけでなく、上海汽車/アリババ系の自動運転車の技術説明と乗車体験なども。

――とにかくやってみよう精神、イードあるあるですね(笑)。今回のツアーはどういった方々が参加されていたのでしょう?

釜田:日本を代表するような大手企業の方々にご参加いただきました。今回のツアーでは、自動車メーカーや自動車業界の直接の関連企業は参加できない制限がありましたが、そういった企業をクライアントに持つ方々が多く集まりました。このことから、テスラへの注目度の高さを実感しました。

参加者の方々の仕事に対する姿勢には、本当に驚かされました。バスで移動中も常にオンライン会議を行い、早朝から深夜まで熱心にレポートを作成されている。日本の産業を支える方々の仕事への取り組み方を間近で見られたことは、とても貴重な経験でした。

工場見学に関する参加者の反応としては、『予想の範囲内』という声が多かったですね。見学できない区画もあり、その点は残念だったという声もありました。ただ、工場見学後にテスラ上海の副社長クラスの方による講演があり、それが非常に好評でした

ーー伊藤さんは入社して半年ほどで初の海外出張かつ、世界的な企業のテスラの工場見学に行くことになったわけですが、お話を聞いたときとツアーに参加してみていかがでしたか?

伊藤:テスラが素晴らしい企業だということは知っていましたが、その工場見学がどれほど貴重な機会なのかも、すごすぎて最初は実感がわかなくて…。

ツアーには関係者含めて20人以上が集まることになり、『こんなにも多くの人が興味を持って参加するんだ』と驚きました。私自身は企画段階の打ち合わせにはあまり参加せず、実務が発生してからのサポート役でしたが、それでも電話対応など大変でした。企画立ち上げの段階から関わっていた方々は、本当に大変だったと思います。

ツアーは驚きの連続でした。初めての工場見学だったので、製造ラインで車体が運ばれていく様子は、まるでアトラクションのように感じましたね。テスラのトップの方々との名刺交換や、参加者との夕食会、講演会など、全てが新鮮な経験でした。

この視察を通じて、様々な立場の方々の仕事を間近で見ることができ、特に法人営業の際に、お客様のバックグラウンドを具体的に想像できるようになったのが、大きな収穫でしたね。

伊藤さんが上海の街中で見かけた自動運転タクシー。WeChatというメッセンジャーアプリを活用し、地域限定ですが一般の方も利用できるそう。

ーーツアーを通じても大きく成長されたのですね。それでは、レスポンスビジネスの展望を教えてください。伊藤さんは今後の目標をぜひ。

釜田:まず最優先なのは法人会員の増加です。会員を増やすことがコンテンツの拡充に繋がります。

そのために重要なのは、業界で何が求められているのかを常に把握することです。会員の方々からヒアリングを行い、それに応えるコンテンツを作り続けることが基本になりますね。これはコンテンツを作る側として当然のことかもしれませんが、とても大切なことです。

その上で、レスポンスが今まで培ってきた経験や人脈を活かしながら、他にはない独自性を持ったコンテンツや新しい商材を展開していければと考えています。

伊藤:最近やっと、レスポンスでの仕事の全体像が見えてきた実感があります。特に法人会員営業の部分で任せていただける範囲が広がってきて、これまでの『お仕事体験』的な段階から、実際の『お仕事』として感じられるようになってきました。

一人でアポイントを取るなど、個人としての責任も増えてきているので、まずはそれをしっかりと全うできるようになりたいですね。

ただ、レスポンスならではの特徴として、チームでの連携が非常に重要だと感じています。法人会員営業も単独では成り立たず、コンテンツとの結びつきが必要ですし、視察ツアーなども他のメンバーとの協力があってこそ実現できています。広告営業にしても、一人で完結するというより、チーム全体で最終的なゴールに向かって動いていくような案件が多いんです。

そういったチームの一員として、もっと貢献できる部分を増やしていければと考えています。

ーーありがとうございました。


テスラ上海工場視察ツアーは、レスポンスが築き上げてきた業界ネットワークと、チーム一丸となった取り組みによって実現した企画。このプロジェクトは、ベテランの釜田さんにとっても、新人の伊藤さんにとっても、新たな挑戦と成長の機会となりました。二人の話からは、自動車業界専門メディアとしての強みを活かしながら、より一層の価値提供を目指す意欲が感じられました。今後のレスポンスビジネスの発展が期待されます。