コロナショックに対し、イードがどう立ち向かっているかを記録する本企画。Part1では各事業部がどのような施策を打ち出しているかを紹介し、Part2ではコロナショック下でも堅調な業績を維持しているデジタルエージェンシー事業部に話を聞きました。Part3では、巣ごもり需要で追い風が吹いていると言われるeコマース分野で企業の支援をしているメディアコマース事業部に話を聞きました。
クライアントとの信頼関係で成長していくメディアコマース事業部
–メディアコマース事業部は、企業のeコマース(インターネット上でモノを売り買いすること)への参入を支援するサービスを行っているとのことですが、具体的にはどのようなサービスなのでしょうか?
marbleASPというECサイトのシステムを月額で提供しています。元々はモノ・マガジンという雑誌のECショップシステムだったんですが、だんだんと外からの引き合いも多くなってきたので、サービスとしてスピンアウトした形です。そういう成り立ちなのもあって、大きく広告や宣伝を打ったりはしていないんですが、紹介や口コミを通して着実に顧客の輪を広げていて、大手企業にも多数利用していただいています。
1社ごとのニーズに柔軟に対応
–サービスとしての特長はどういうところでしょうか?
最大の特長は、1社ごとのニーズに柔軟に対応してECシステムをカスタマイズしていることです。一般的なASPだと独自性が低いことがデメリットとして挙げられることが多いのですが、mableASPを利用してくださっている企業のECサイトはいずれも、見た目も機能も高いオリジナリティを実現しています。他にも外部のシステムとの連携がしやすかったり、ショップデザインを邪魔しないシステム設計だったり、管理画面の操作はできるだけ効率よく簡単に行えるように更新したりなど、クライアントがシステムの仕様などを気にせずに、本質である売上アップのための施策に注力できるようなサイトシステムの構築を心がけています。
–限られたメンバーで1社ずつカスタマイズって大変ではないですか?
各社に合わせたカスタマイズは大変ですが、そうして作った機能をmarbleASPにも取り込むことで、他のクライアントからの要望へ応用できることもあるので、こちらのメリットもあるんです。おかげさまで一般的なECシステムには中々ないような変則的な機能も豊富で、そこを魅力に感じてくださった、ほかのECシステムサービスでは解決できないような特殊な課題を持っている企業からの引き合いも増えています。
システム屋ではなく、サービス業
–クライアントとの関係の中でサービスも成長していく、というイメージでしょうか。それほどクライアントとの関係を大切にしているのには、何かこだわりがあるのですか?
自分たちはシステム屋ではなくサービス業だという自覚を持とうというのは、メンバーにもよく言っていいます。marbleASP が掲げるコンセプトの一つに「クライアントと一緒にサービスを拡充する」というものがあるのですが、これにはmarbleASPを使うことでクライアントに売上を伸ばしてもらいたい、そのためなら実験的な取り組みもしていこうという思いが込められています。なので、クライアントが実現したいことに対して、うちのサービスでできる/できないという話で終わってしまうのではなく、「こうすればできますよ」と提案するなど、企業のEC参入の敷居はできるだけ低くしたいと思っています。
信頼関係の連鎖で顧客を獲得
–サービス業だという自覚を持って誠実に対応しているからこそ、紹介や口コミでつながりが生まれていくんですね。
今期の業績が好調だったのも、元々お付き合いのあったクライアントがmarbleASPを評価してくださった結果、大型案件の受注につながったというのが大きな要因です。加えて巣ごもり需要でEC業界全体が追い風を受けているので、コロナショックによるマイナスの影響というのは今のところ感じていません。直近でも新規のクライアントからのお声がけもありますし、間接的にではありますがどちらかというとプラスの影響を受けていると言えます。
業界が追い風を受けているときこそ攻め時
–業界全体が追い風を受けられているのは心強いですね。
ビジネスの話で言えば今が攻め時だと捉えていますが、何よりも、課題を抱えている企業の方々に対して、自分たちのサービスが貢献できるという実感は、メンバーにとってもいままでにないモチベーションになっています。外出自粛を受けてECを始めざるを得ない企業もあると思うので、そういう企業がお手頃に、且つスピード感を持ってECサイトを立ち上げられるような新しいプランなどを企画立案中です。
人と人とのつながりが最大の強み
–チャンスをものにして、飛躍していかれることを期待しています。最後に、日々働く中で心がけていることなどあれば教えてください。
メンバーには、先ほど言ったように「サービス業という自覚を持つ」という話のほかに、転職したいと思った時にはいつでも好きなところに行けるだけのパワーは身に着けてほしいという話はしています。決して転職してほしいという訳ではなく、キャリアの観点からも、居心地がいいから同じ場所に居続けるというのは違うという意味です。そうしてステップアップしていった人が、また新しいつながりを生み出してくれることもありますので。
–クライアントであれ同じ場所で働くメンバーであれ、人と人とのつながりを大切にすることが、メディアコマース事業部の一番の強みなのですね。ありがとうございました。
全3回にわたってお伝えしてきた、コロナショックに立ち向かうイードの記録は、今回で一旦区切りとなります。ですが、戦いはこれからです。緊急事態宣言は解除されましたが、予断を許さない状況は続いていますし、景気回復の兆しはまだありません。厳しい情勢が続くことが予想されますが、数字だけでは見えてこない現場の想いを、これからも様々な形で届けていきたいと思います。