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未曽有のコロナ危機、梁山泊で立ち向かうイードの記録 Part2

コロナショックに対し、イードがどう立ち向かっているかを記録する本企画。Part1では各事業部がどのような施策を打ち出しているかを紹介しました。Part2,3では、コロナショックにあっても好調な業績をキープしている部署に話を聞きます。本記事で話を聞いたのは、2018年7月に設立されたデジタルエージェンシー事業部です。

広告代理事業とメディア運営、両輪が揃うデジタルエージェンシー事業部

–2018年7月に新設されたデジタルエージェンシー事業部ですが、具体的には何をしている部署なのでしょう?“エージェンシー”ってことは、代理店的な動きをしているんですか?

はい。お客さまが実現したいことや課題をヒアリングして、私たちがメディアを買い付けて提供するという広告代理事業を行っています。広告商材はSNS広告からテレビCM、交通広告まで多岐にわたりますが、メインはアフィリエイトなどの運用型広告ですね。オウンドメディアの受託開発・運用をやることもあります。

–かなり幅広いですね。

元々はアフィリエイトがメインで事業をスタートしたのですが、アフィリエイト広告の業務は、事業という観点では収益の積み上げが出来るとても良いビジネスモデルだと思いますが、ルーチン作業が多く、担当者からするとやり甲斐を見失ってしまうことがあります。代表もよく「仕事を人生最大の遊びに」と話していますが、やはり仕事は楽しくないと続かないと思いますし、新しいことにチャレンジするのは楽しいですよね?そういう「仕事を楽しむ」ことと「事業を組み合わせて収益を多様化する」ことの両立を考えながら事業推進していった結果、バリエーションがどんどん広がっていきました

–確かに、これだけできることがあれば飽きなさそうです。

事業内容で言うと、他にも、昨年末には縁あって不動産投資メディアを事業取得したので、メディア運営もやっています。

イード、不動産領域に参入

–なんと、代理店事業とメディア運営両方ですか。それぞれコロナの影響はいかがですか?

大きいですね。特に景気と連動する不動産業界は顕著です。広告代理事業も、広告主とはいわば運命共同体なので、影響は避けられないですね。では新規顧客を開拓…といっても外出自粛でオフラインでの営業はできない。つてのある代理店にコンタクトを取ったりはしていますが、くすぶっている状態と言えます。とはいえ今まで培ってきたお客様との関係があるので、今のところ大幅な業績悪化は避けられている状態です。

ニーズの変化をつかんで、サービスを更新し続ける

–何か施策は打ち出しているのですか?

不動産投資メディアは、資料請求やオフラインでの面談を電話相談やweb面談に置き換えられる「電話相談サービス」をリリースしました。契約の手続き自体にはオフラインで会うことが必要になりますが、その手前までのプロセスをwebで完結しましょう、というサービスです。あとは、「在庫ナウ」というメディアを立ち上げたりもしています。そこでは、マスクや除菌スプレーなどを取り扱っているオンラインショップを、価格が安い順番に表示しています。感染症拡大に伴い品薄になり、価格が高騰している商品を、できるだけわかりやすく探してもらえるようにとの思いで開発しました。

–それぞれ反響はいかがですか?

「電話相談サービス」は、不動産自体がお客さんと面談ができないことで焦りもあるのか、反応はいいです。そもそも資料請求から始まる営業プロセスの効果が薄まってきていることもあって、コロナが終息しても、このまま資料請求の段階をスキップして、電話相談をファーストステップにしようかと検討しているクライアントもいますね。まだ立ち上げから3年の若いメディアなので、こうしたニーズの変化をつかんで、提供していくサービスの内容も更新し続けていこうと考えています。

メディア企業としてどう貢献できるか

–正直、資料請求したら営業電話くるかな~と思うと気持ちが重くなって、やめちゃうときあります…。今回のパンデミックをきっかけに、不動産業界自体も変わっていくのかもしれませんね。「在庫ナウ」はどうでしょうか?

こちらはリリースしてから日が浅いので、まだなんともというところです。そもそも「在庫ナウ」は、コロナで品薄だったり価格が高騰している商品が必要な人に届かないという状況に対して、メディア企業としてどう貢献できるだろうかという思いで立ち上げたので、お金を稼ごうという気持ちはあまり無かったりします。特に高齢者の方はインターネットを使った買い物も慣れていない人も多いですし、数あるネットショップを比較してより安いものを…というのは難しいですよね。「在庫ナウ」なら一目で最安値の商品が見つけられるので、活用していただけると嬉しいなと思います。

「在庫ナウ」

事業部理念は「三方良し」と「有言実行」

–より安いマスクを探して相当な時間を費やした経験がある身からしても、ありがたいサービスです…。広告代理事業に新サービスやメディアの立ち上げなど、クライアントやユーザーが求めているものを提供するためなら変幻自在といった感じですね。

デジタルエージェンシー事業部の事業部理念の一つが「三方良し」なので。特に広告代理事業は、広告主がいて、メディアがいてこそ存在意義があります。なので、お金だけ稼いでクライアントに効果をお返しできないようなことはしないと決めています。

–どんなビジネスをする上でも大切な考え方ですね。事業部理念はほかにもあるんですか?

「有言実行」です。一見当たり前なんですが、意外とやると決めたことを最後までやり切れる人って少ないと思うんです。そこはちゃんとKPIを追って行こうねというのはよくメンバーとも話していますね。

マネージャーではなくファシリテーターでいること

–私も心に留めます。ところでデジタルエージェンシー事業部は何人体制なんですか?

僕を含めて2.5人の少数体制です。なので、一応僕が事業部長という役職ではありますが、マネージャーというよりはただのファシリテーターであると自認しています。それぞれが持つ強みも、担っている役割も違いますし。特にイードはM&Aのタイミングでジョインしてくる人もいるので、そういう人たちに文化を強制してもうまくいかないと思うんですよね。もちろん業務が滞っていれば注意はしますが、そういう交通整理程度ですかね。マネージャーがいなくてもメンバーが自走できるならそれが理想だと思っています。

–各メンバーが自走できるからこそ、どんどん新しいことに手を広げていける環境があるのですね。非常事態下でも柔軟に対応できる秘密が見えた気がします。ありがとうございました


Part3では、巣ごもりで需要が高まるeコマースサービスを提供するメディアコマース事業部に話を聞きます。

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